「お盆」について

 関東では7月、関西では8月がお盆です。日本には春夏秋冬の四季がありますが、インドでは暑季、雨季、乾季の三季に分かれています。暑季の終わった5月からの三か月間を雨季と言います。雨季の期間には植物が芽吹き、虫などが地中から出てきます。この時期に出歩けば、自然界の動植物たちの命を奪うことになります。そのため僧侶は、寺院の中にとどまり修行に励みます。これを『雨安居(うあんご)』あるいは『安居(あんご)』と呼びます。雨安居の最終日に行われる儀式を『自咨(じし)』と言います。

 お盆の起源とされる『盂蘭盆経(うらぼんきょう)』には『自咨(じし)』の様子が描かれています。お釈迦様のお弟子で神通(じんずう)第一の目連尊者(もくれんそんじゃ)のお話です。目連尊者は、餓鬼道(がきどう)に堕ちた母親を救う術(すべ)をお釈迦様に問います。するとお釈迦様から「そなたの母の罪は深く、そなた一人の力ではどうすることもできない」と諭されます。目連尊者は自咨の日に衆僧に食べ物を差し出すように言われ、その通りにすると母親は餓鬼の苦しみから解放されたのでした。そしてお釈迦様は人々に向けて「自咨の日に先祖や父母を心に浮かべ、育ててくれた恩情を思い、衆僧に施しをするように」と説いたとあります。『盂蘭盆』の『盆』とは、「食べ物を入れる鉢」の意味であり、自咨の日に「僧侶に差し出す食べ物を入れた鉢」という意味であると解釈されています。

 私たちのなじみ深い経典の一つ『阿弥陀経』の中に『倶会一処(くえいっしょ)』すなわち「(俱(とも)に一処(ひとところ)に会す)」という言葉があります。「浄土に往生すれば多くの仏と俱に一処に会すことができるのだから浄土に往生するように」と勧める文脈の中に出てくる言葉です。

 私たちは阿弥陀様のはたらきによって浄土に往生することができます。浄土のすぐれた菩薩(ぼさつ)様方と一体となることができます。阿弥陀様は煩悩深重な私たちをそのまま救い取ってくださいます。この阿弥陀様の教えに出会うと安心感が生まれます。この安心感こそが生きる力となるのです。お盆の法要を通して、阿弥陀様の教えに耳を傾け、人生を歩んで行きたいものです。

「お盆」について 久宝寺住職 岩田惠明

お知らせ

7月15日 14時に予定しておりました親鸞聖人月忌法要は、

現状を考慮して、僧侶のみでおつとめいたします。

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